オフィスチェア

オフィスチェア分解方法の決定版!自分でできる解体と処分術

「使わなくなったオフィスチェアはどうすればいいですか?」、「オフィスチェアは粗大ゴミに分類されますか?」といった疑問をお持ちではないでしょうか。オフィスチェアの処分や、部屋から部屋への搬入を考えるとき、分解という選択肢が浮かびます。

しかし、実際に試してみると、椅子と脚をつなぐガスシリンダーが抜けなくて困ることが少なくありません。特に、ニトリ製品の分解やシリンダーの外し方、あるいはゲーミングチェアの分解方法について、具体的な情報を探している方も多いでしょう。

自分で椅子からガスシリンダーを分解しようとして、「どうしても分解できない」と途方に暮れた経験があるかもしれません。この記事では、そんなオフィスチェアの分解から処分までの悩みを解決するため、正しい手順と注意点を分かりやすく解説します。

ポイント

  • オフィスチェアの基本的な分解手順
  • 固着したガスシリンダーの外し方のコツ
  • ニトリやゲーミングチェアなど種類別の分解法
  • 分解後の正しい処分方法と注意点

基本的なオフィスチェアの分解方法と準備

ポイント

  • 椅子 ガスシリンダー 分解の正しい手順
  • ガスシリンダーがどうしても抜けない原因
  • 分解 できない時の確認ポイント
  • ニトリ製品のシリンダーの外し方を紹介
  • ゲーミングチェアの分解方法と注意点

ガスシリンダーを分解するときの正しい手順

オフィスチェアの分解で最も重要なのが、座面と脚部を繋いでいるガスシリンダーの取り外しです。正しい手順とコツさえ理解すれば、意外と簡単に行うことができます。重要なのは、力任せに作業しないことです。

まず、オフィスチェアのガスシリンダーは、ネジなどで固定されているわけではなく、「テーパー勘合」という円錐状の部品同士がはまり込むことで固定されています。このため、垂直方向に衝撃を与えることで固着を解き、取り外すのが基本となります。

ガスシリンダー叩き出しの3原則

  1. 真っ直ぐ叩く:取り外したい方向へ、力が分散しないように垂直に叩きます。
  2. 衝撃を与える:ゴムハンマーではなく、金属製のハンマーで衝撃を与え、固着を緩めます。
  3. 外すパーツを叩く:椅子本体ではなく、交換する古いガスシリンダー側を叩きます。これにより、本体を傷つけるリスクを防げます。

作業を始める前に、座面や背もたれを先に取り外しておくと、作業スペースが確保でき、効率的に進められます。脚部からシリンダーを外す際は、脚の中心部を地面から少し浮かせ、シリンダーの上端をハンマーで叩き下ろします。逆に座面からシリンダーを外す際は、シリンダーの根本付近を叩いて押し出します。

当て木を使うと、叩く対象を傷つけずに済みますが、衝撃が吸収されすぎないよう硬い木材を選ぶのがポイントです。軍手を着用し、安全に注意して作業しましょう。

ガスシリンダーがどうしても抜けない原因

正しい手順で試してもガスシリンダーが抜けない場合、いくつかの原因が考えられます。最も一般的な原因は、長年の使用による固着です。座っている間の体重が常にかかることで、テーパー部分がより深く、強く圧着されてしまいます。

また、ネット上の情報でよく見られる間違った方法を試してしまったケースも少なくありません。例えば、以下のような方法は逆効果になる可能性があります。

やってはいけないNG作業

  • ゴムハンマーやプラスチックハンマーの使用:これらのハンマーは衝撃を吸収してしまうため、固着を緩めるのに必要なインパクトが伝わりません。
  • 椅子本体(脚や座面受け)を叩く:力が斜めに加わり、うまく外れないだけでなく、椅子本体を歪ませたり破損させたりする危険があります。
  • パイプレンチで無理に回す:固着がひどい場合、シリンダーが変形してしまい、余計に抜けなくなることがあります。これは最終手段と考えるべきです。

このように、間違ったアプローチは問題をさらに悪化させる可能性があります。もし固着がひどいと感じたら、一度作業を中断し、次のステップを試すことをお勧めします。それは、浸透潤滑剤の使用です。接合部に潤滑剤をスプレーし、数十分から数時間放置することで、金属の隙間にオイルが浸透し、固着が緩みやすくなります。

分解できない時の確認ポイント

どうしても分解ができない場合、作業方法以外の点を確認する必要があります。まずは、使用している工具が適切かを見直してみましょう。前述の通り、衝撃を与えるためにはある程度の重さがある金属製ハンマーが適しています。

次に、チェアの構造を改めて確認することも重要です。ほとんどのオフィスチェアは前述のテーパー勘合ですが、稀に特殊な固定方法を採用しているモデルも存在します。特に海外製のデザインチェアや古いモデルの場合、隠れた場所にネジやピンがないか、一度落ち着いて全体を観察してみてください。

分解できない時のチェックリスト

  • 工具は適切か?(金属製ハンマーを使っているか)
  • 叩く場所、方向は正しいか?(垂直に、外す部品を叩いているか)
  • 浸透潤滑剤を試したか?
  • 隠れたネジや固定部品がないか?

これらの点を確認しても状況が変わらない場合、残念ながら個人での分解は難しいかもしれません。無理に作業を続けると、ケガをしたり、チェアを完全に破損させてしまったりするリスクがあります。その場合は、専門の業者に依頼するか、新しいチェアへの買い替えを検討するのも一つの賢明な判断です。

「あと少しなのに!」という気持ちは分かりますが、無理は禁物です。特に賃貸物件の場合は、床や壁を傷つけないように注意してくださいね。

ニトリ製品のシリンダーの外し方を紹介

ニトリのオフィスチェアは、その手頃な価格から多くの方に利用されています。これらのチェアのガスシリンダーも、基本的にはこれまで説明してきた一般的なオフィスチェアと同じ構造(テーパー勘合)をしています。

したがって、外し方も基本に忠実に行うのが最も効果的です。

準備するもの

  • 金属製のハンマー(金槌やコンビハンマーなど)
  • 軍手
  • 床を保護するシートや段ボール
  • (あれば)当て木と浸透潤滑剤

作業手順

1. 脚部からシリンダーを外す

まず、チェアを横に倒すか、逆さまにします。5本の脚がついているレッグフレームの中心を持ち、少しだけ床から浮かせます。そして、レッグフレームとシリンダーの接合部から突き出ているシリンダーの先端を、ハンマーで真下に叩きます。数回強く叩くと、衝撃で勘合が外れ、レッグフレームが落下します。

2. 座面からシリンダーを外す

次に、座面に残ったシリンダーを外します。座面を裏返し、昇降レバーなどが付いているメカ部分とシリンダーの接合部を露出させます。この接合部のフチを、ハンマーで均等に叩いていきます。一方向からだけ叩くと斜めにはまってしまうので、少しずつ回しながら叩くのがコツです。

ニトリ製品に限らず、安価なモデルは素材が柔らかい場合があります。叩く際に力を入れすぎると変形する可能性があるので、注意しながら作業を進めてください。

ゲーミングチェアの分解方法と注意点

ゲーミングチェアの分解も、基本的な構造はオフィスチェアとほぼ同じです。そのため、ガスシリンダーの取り外しに関しては、これまで解説した方法がそのまま通用します。

ただし、ゲーミングチェアにはオフィスチェアと異なる点がいくつかあり、分解時に注意が必要です。

ゲーミングチェア分解時の特有の注意点

  • 重量とサイズ:ゲーミングチェアは一般的なオフィスチェアよりも大きく重い傾向があります。分解や移動の際は、腰を痛めたり、床や壁にぶつけたりしないよう、十分に注意してください。できれば2人で作業することをおすすめします。
  • 複雑なアームレストやリクライニング機構:高機能なモデルほど、アームレストやリクライニング部分の構造が複雑です。これらのパーツを分解する必要がある場合は、元の構造を写真に撮っておくなど、組み立て直す際のことを考えておくと安心です。
  • 内蔵スピーカーや振動機能:一部の高級モデルには、スピーカーや振動モーターが内蔵されていることがあります。これらのモデルを分解する際は、内部の配線を切断してしまわないよう、特に慎重な作業が求められます。

これらの点に注意すれば、ゲーミングチェアも問題なく分解が可能です。特にガスシリンダー部分は共通の悩みどころですので、金属ハンマーで衝撃を与える基本原則を忘れずに挑戦してみてください。

目的別:オフィスチェアの分解方法のポイント

ポイント

  • ニトリ製品の分解は修理か処分目的か
  • 部屋への搬入を楽にする分解のコツ
  • 分解して処分する場合のルール
  • オフィスチェアは粗大ゴミに分類されますか?

ニトリ製品の分解は修理か処分目的か

ニトリのオフィスチェアを分解する際、その目的が「修理」なのか「処分」なのかによって、作業の進め方や注意点が異なります。

修理が目的の場合

ガスシリンダーの交換など、修理を目的とする場合は、再利用するパーツを傷つけないことが最も重要です。特に、ハンマーで叩く際には当て木を必ず使用し、シリンダーの受け側であるレッグフレームや座面のメカ部分を変形させないよう、細心の注意を払いましょう。

また、分解したネジや部品は、失くさないように小さなケースなどにまとめて保管しておくことをお勧めします。どの部分のネジかをメモしておくと、再組み立ての際にスムーズです。

処分が目的の場合

処分が目的であれば、多少パーツが傷ついても問題ありません。そのため、作業の効率を優先できます。例えば、当て木を使わずに直接金属ハンマーで叩くなど、より大胆な方法を取ることが可能です。ただし、ケガのリスクや周囲の器物を破損するリスクは常に考慮し、安全を最優先してください。

ニトリのチェアは価格が手頃なため、修理費用や手間を考えると、新品に買い替えた方がコストパフォーマンスが良い場合もあります。分解を始める前に、一度検討してみるのも良いでしょう。

部屋への搬入を楽にする分解のコツ

大型のオフィスチェアやゲーミングチェアを購入したものの、「ドアや廊下を通らない…」という事態は意外とよくあります。そんな時、分解して搬入するのが有効な解決策となります。

搬入を目的とする場合、必ずしも完全に分解する必要はありません。多くの場合、以下の3つのパーツに分けるだけで、かなりコンパクトになります。

搬入のための最小限分解パーツ

  1. 座面・背もたれ部分
  2. ガスシリンダー・脚部
  3. アームレスト(肘掛け)

最も幅を取るのは、5本脚のレッグフレームと、アームレストです。特にアームレストは、座面の裏側からボルトで固定されているだけのことが多いので、比較的簡単に取り外せます。アームレストを外すだけで、ドアを通過できるケースは少なくありません。

ガスシリンダーを抜かなくても、座面と脚部を分離させるだけで、それぞれのパーツの体積は小さくなります。まずは簡単なアームレストの取り外しから試してみて、それでも難しい場合にガスシリンダーの分離に挑戦するのが効率的な手順と言えるでしょう。

分解して処分する場合のルール

オフィスチェアを分解して小さくすれば、普通ゴミとして出せるのではないかと考える方もいるかもしれません。しかし、これは多くの自治体で認められていません。

処分の際のルールは、「元の製品の大きさ」を基準に判断されます。つまり、たとえ工具を使って細かく分解したとしても、元が粗大ゴミのサイズであれば、全体をまとめて粗大ゴミとして処分する必要があります。

ガスシリンダーの扱いに注意

分解したパーツの中で、特に注意が必要なのがガスシリンダーです。内部に高圧ガスが封入されているため、自治体によっては「処理困難物」として扱われ、粗大ゴミとして回収してもらえない場合があります。

処分する前には、必ずお住まいの自治体のホームページを確認するか、清掃事務所に問い合わせて、ガスシリンダーの正しい処分方法を確認してください。

ルールを知らずにゴミに出してしまうと、回収されずに残されてしまう可能性があります。分解作業を始める前に、処分のルールをしっかり確認しておくことが大切です。

オフィスチェアは粗大ゴミに分類されますか?

はい、結論から言うと、家庭で使用していたオフィスチェアはほとんどの自治体で「粗大ゴミ」に分類されます。一般的に、一辺の長さが30cm(または50cm)を超える家具や電化製品は粗大ゴミとして扱われるため、オフィスチェアはほぼ間違いなくこの基準に該当します。

粗大ゴミの処分は、事前の申し込みと手数料の支払いが必要です。手数料は自治体によって異なります。

自治体 品目 手数料
東京都港区 椅子(回転式、キャスター付き) 400円
大阪市 いす(回転式) 400円

上記は一例です。最新の情報や詳細な品目については、必ずお住まいの自治体の公式サイトでご確認ください。

一方で、事務所や法人で使用していたオフィスチェアは「産業廃棄物」扱いとなり、家庭ゴミの粗大ゴミとして処分することはできません。この場合は、産業廃棄物処理の許可を持つ専門業者に回収を依頼する必要があります。

また、状態が良いものであれば、リサイクルショップやフリマアプリで売却する、あるいは不用品回収業者に引き取りを依頼するという選択肢もあります。処分費用がかからず、むしろ収入になる可能性もあるため、検討してみる価値はあるでしょう。

まとめ:最適なオフィスチェアの分解方法とは

この記事では、オフィスチェアの分解方法から処分に関するルールまで、幅広く解説しました。最後に、本記事の要点をリストでまとめます。

  • オフィスチェアの分解は処分や搬入の際に有効な手段
  • ガスシリンダーはテーパー勘合で固定されている
  • 分解の鍵は垂直に衝撃を与えて固着を緩めること
  • ハンマーは衝撃を吸収しない金属製を選ぶ
  • 椅子本体ではなく交換するガスシリンダー側を叩くのがセオリー
  • ゴムハンマーの使用や椅子側を叩くのはNG行為
  • 長年の使用による圧着がガスシリンダーの抜けない主な原因
  • 固着がひどい場合は浸透潤滑剤を試すのが有効
  • ニトリやゲーミングチェアも基本的な分解方法は同じ
  • ゲーミングチェアは重量や複雑な機構に注意が必要
  • 分解の目的が修理か処分かで作業の丁寧さが変わる
  • 搬入目的の場合はアームレストの取り外しから試すと良い
  • 分解しても元のサイズで粗大ゴミとして扱われる
  • ガスシリンダーは自治体によって回収不可の場合があるため要確認
  • 家庭用の椅子は粗大ゴミ、事業用の椅子は産業廃棄物として処分する

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